早く終われ!

ところで、最近買ったゲーム、クリアしましたか?

ゲーマーは平気な傾向がある
楽しいピクニックも遠すぎると苦痛

まだ有るのかよ

 一概に言えるものでもないが、最近のゲームはクリアに時間かかり過ぎじゃないか?
 ちょっと、テレビ番組に換算してみよう。

 30分番組の1クール(13話)が30×13=390分=6時間半、これが4クール続いても6時間半×4=26時間である。
 つまり、30分のTV番組を一年間見ても、26時間なんである。
 いくら何でも、1本のゲームに100時間強は長すぎる。30分TVシリーズ四年分だ!!
 せいぜいシリーズ1年分、総プレイ時間としてはまる1日、24時間でひとまずの終了に至ってほしい。

 実際の話、24時間だってひねり出すのが難しい人だって少なくない。

長く遊べた方が得なのか?

 さて「同じ金を出すなら、長く遊べた方が得ではないか?」という見方も当然あると思う。
 しかし、汝暇を潰すことなかれでも述べたように、人生は有限である。
 そう考えるならば「瞬時に終わって感動を体験できた方が得ではないか?」という見方も当然ある。

 少なくとも、長く遊べること自体にゲームとしての価値は見いだせないのは確かであろう。

ゲーム会社としては

 ゲーム会社としては、長く遊んでもらい、すぐに中古屋に売られる事を避けたい。
 それを避ける確実な方法はクリアまでの時間を長くする事だ。
 コアなゲームファンが24時間でクリアできるゲームなら、発売25時間で中古ショップに並んでしまう。

 しかし、すぐ売られてしまう事を気にする以前に、そんなにすぐ売られてしまうようなゲームを作るのはどんなものだろうか。
 クリア時間を延ばしてゲームをすぐに売れなくするよりも、売りたくなくなるゲームを作ってほしいものである。
 できるならやってるよ、って声も聞こえてきそうではあるが、やはり目指すべき健全な方向は面白いゲームを作る他ない。

「長くて且つ面白いなら文句のつけようが無いだろう」という声もあるだろう。しかし、面白い状態を持続させるのは手間も金もかかるものだ。
 ゲーム会社が過剰なサービスをしているとしたら、それはそれで歪んだ正常でない状態と言えるだろう。
 対価に合うサービスを提供して行かなければ、早晩ゲームは崩壊を迎えるのは間違いない。
 歪んだモデルは、資金回収可能なゲームを作る事を著しく困難にする。危ない。

名作は長く遊ぶでしょ?

 とは言え人生に影響を与えるほどのゲームは、それこそ寝食を惜しんで何百時間もプレイする事があるのがゲーム好きの性。
 だが、これは単純に時間を注ぎ込んでいる訳ではない事に注目してもらいたい。止めてもいいのに続けているのだ。
 自主的に使っている時間は、実際のところ有益かどうかは置いといて、尊重されるべきものだろう。

 だが、クリアに何十時間もかかるゲームの場合どうだろう。
 それは、ある種「やらされている時間」とも言えるのであり時間の質が違うと言えよう。
 この事は、エンディングの是非ややりこみ要素とも合わせて考える必要があるだろう。それは、また別の機会に。

 そこで結論。

長く遊べるのはいい、長く遊ばなきゃいけないのはイヤ

追記

 この記事を書いてから、ゲームのクリアにかかる時間の平均値は下がってきたように思う。
 映画の2時間に、遊園地の4時間にどのくらい支払っているか、というのが冷静に判断されてきたのではないかと思う。
 中古対策として、ダウンロードコンテンツの提供という手法も広まっていることも、クリアまでが短くなる傾向に寄与しているだろう。

 ただし中古市場を考えると、クリアに100時間かかる面白いゲームが200円で売られてたりする。
 また、iOSのアプリを中心として価格破壊が起きていて、昔なら1万円払っていたゲームが千円以下で手に入るのも当たり前という状況でもある。
 逆に据え置き型のゲーム機においては、開発金額が上がっている傾向も、未だにある。
 他にも、オンラインゲームは終わりの概念が無いか希薄で、延々プレイする事を前提としていることが多い。

 いびつな状況はあちこちに残っていて、ゲームが適正なプレイ時間と価格に落ち着くのは、まだまだ先のようだ。

追記

 適正なプレイ時間という意味で、フリートゥプレイ(F2P)形式のゲームの問題が大きくなっている。
 開発者たちは、プレイヤーを離さないように、次々と新たなコンテンツ(キャラやストーリー)を投下し、抜けられない状況を作ろうと必死だ。
 逆に人気が出ず、満足にプレイする前にサービス終了というタイトルも多い。
 このようにF2Pジャンルは、プレイ時間は製作者側の都合で長くも短くもされるようになっていて、「適切な長さとは」という問いかけ自体が無意味化している。
 なお、1プレイの時間については隙間時間に遊ばせるように、特に(スマホを含めた)携帯機では短くなる傾向は顕著だ。