コンピュータに勝たされる
勝ちたいけど、勝たされるのはイヤだ
ゲームは勝負だ
誰でもクリアできるゲームで既に述べたが、ゲームはプレイヤーとゲーム制作者との勝負の側面がある。
だから、当然のことながら、プレイヤーは制作者に勝ちたいわけであるし、制作者もプレイヤーをぎゃふんと言わせたいわけである。
制作者にとっての「勝ち」については、今回の主題では無いので別稿で語るとして、今回はプレイヤーにとっての「勝ち」を考えてみる。
ゲーム製作者に勝つとは
まず、プレイヤーにとって「勝つ」とは、どのような状態をいうのか。
それについては、以下のようなものが考えられる。
- ゲームのクリア
- 製作者の用意した遊びを全て発見
- 製作者の用意していない遊びの発見
多くの場合は、ゲームのクリアが第一段階なので、ここではゲームのクリアに絞って考えてみることにする。
勝ちたいけど勝たせてもらうのはいや
まず、制作者としては、ゲームから逃げられては明らかに負けなので、ある程度はプレイヤーに上手く勝たせる必要がある。
しかし、プレイヤーは、当然勝ちたい訳であるが、勝たせてもらうのもいやなのである。わがままなもんであるが、殆どの人の持つ欲求であると思う。
そこで、勝たされていることを感じさせない工夫が必要になってくる。
下手な勝たせかた
どんなに露骨に勝たされても満足な人はいるものだが、勝たされていることがモロ分かりの方法は、やはり興醒めである。
特にゲームに勝負を求めている場合は、落胆を強く感じる人が多いだろう。
まずい方法を列挙してみよう。
- 敵より、味方の数が多い
- 敵より、明らかに強い
- 敵が、能力の一部しか使わない
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特に、1対1での戦闘であれば、少々の実力差があっても、不公平と感じないのが人間である。
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それでは1対1ならば良いのかと言えば、そうでもなく。
敵の攻撃が1ポイント、プレイヤーの攻撃が100ポイントならば、いくら何でもやり過ぎである。
RPGではよく見る光景だが、最初からこの状態だとまずい。成長後の力差ならプレイヤーのプレイ結果なので問題ない。 -
シューティングゲームの低いレベルを選択した時にありがちだが、ノーマルだと撃ってくるレーザーがイージーだと完全に沈黙している、といった方法だ。
上手い勝たせかた
今度は、手加減されていると感じにくい、上手い勝たせかたを考えてみよう。
- ギリギリで勝つ
- 敵より性能が良い
- 敵より武器・弾薬の残り数が多い(無限)
- 一見、すごい攻撃
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自分がゲームオーバーになりそうな時の少々のイカサマは気にならない。
ということで、プレイヤーというものは、とにかく利己的にできている生き物だってことだ。
具体的には、RPGなんかで死にそうになっている時に会心の率や魔法の効果が上がったりする、なんてことが手加減を感じにくい仕組みだ。
対戦格闘ゲームで、ゲージが赤くなったら超必殺技が使える、なんてのも、この種の調整だ。 -
プレイヤー側のキャラクター性能が、圧倒的に優れていても、敵の数の方が多ければ、意外に勝たされている気分がしない。
シューティングゲームなんかは特に顕著だが、シミュレーションゲームでもRPGでも、このことは共通である。 -
敵が一度撃てば、その後弾切れになっているという事に、プレイヤーはなかなか気づかないものである。
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シューティングゲームでは、自機に絶対あたらない位置を狙って飛んでくる敵機や見せ弾。
そしてあたり判定の極端に小さな自機が、手加減を感じさせない仕組みとしてある。
エフェクトはすごいが威力は大したことが無い攻撃なんかも、手加減されているように感じない。
ただし、慣れると手加減されてることがバレるので、要所要所で効果的に使って行きたい。
結論を言うと、特にアクションゲームなどの忙しいゲームでは、プレイヤーが大局的に見て有利不利を見ることは無いということだ。
努力は報われる
後ひとつ、かなり重要な要素として「時間をかけた(努力した)ら勝てる」というのも納得させやすい。
RPGなどの成長要素は正にこれで、プレイヤーは努力が報われるのをほとんど無条件で受け入れる。
そこで結論。
気持ちよく勝たせて欲しい