アニメーションツールとして、非常に重要な部分を占めるのが、タイムラインの操作といえる。
この部分の作り込みの善し悪しが、アプリケーション全体の善し悪しを決めると言っても過言ではない。
しかし、Flashのタイムラインの操作は、全く洗練されていない泥臭いものである。
重要な部分であるので、何回かに分けて問題点を洗い出していく事にする。
今回は、パネルデザインについて。
シーンはタイムラインの上位に属するものと考えられるのに、ステージにアイコンがありボタンがある。タイムラインにシーン操作は置くべき。
パネルの上の部分には、MX独特の特殊なバーが作られている。左からパネル移動用のぼこぼこしたデザインの部分、三角マーク(機能的意味無し)、右端にオプションメニューがある。
あまりにMac OS Xのインタフェースと異なる、このGUIパーツは問題が大きすぎる。
ただでさえ問題が多いのだが、FlashMX内でも統一が取れていないため、無用な混乱を生んでいる。
タイムラインの右上には、他のバーにあるメニューアイコンが存在せず、その下の「HH」と言う感じのアイコンにメニューがある。ものすごい謎仕様。なんで他のとこで使ってるインタフェースを無視する?!(どーも、Flash5からそのままスライドした仕様のようだ。ひどい、やる気が感じられない)
フレームを選択して、Cmd+Xしたらフレームがカット(Cmd+Cでコピー・Delで削除)されると思うのが自然だと思う。
しかし実際は、フレームに含まれる画像が選択されるため、ステージ上の画像がカットされる。これは分りにくい。特に、複数のフレームを選択している場合、分りにくさ倍増である。
まず、フォーカスの合っていない部分(ステージ)に操作が適用されているのが問題。
次に、ステージ上のオブジェクトをカットしなくても、かなりの場合フレームのカットで片がつくので、便利でもない。
このヘンをまとめるに、タイムラインはウインドウ扱いにして、フォーカスが合っている時は、メニューも完全にタイムライン用に変更した方が分りやすい。
タイムラインをステージの上以外にドッキングさせた後、レイヤーのラベルの上あたり(目のアイコンの左)をクリックすると、別の場所に移動してしまう。
上にドッキングする以外はマトモに使えない。
ステージから分離しても、フローティングパネルなので、ステージを上に重ねる事ができず、面積的に全く有利にならない。
フローティングしているため、フォーカスの有る無しでウインドウが濃くなったり薄くなったりしないので、今どこを編集しているのかが分りにくい。
周囲に枠がついて、一応フォーカスの有る無しを示してはいるのだが、その変化に気づいていない人も多いだろう。ウインドウ全体が変化するのと、枠だけが変わるのと、どっちが分りやすいかは、指摘するまでもない。
以上の事から、分離後のパネルをフローティングにする意味が、私には全く理解できない。
ドッキングした状態でtabキーを押してパネルを隠し、タイムラインを分離する、そしてtabキーを押すと、タイムラインのパネルが閉じてしまう。
…うーん、プログラムがテキトーです。お行儀悪いです、お里が知れます。
マニュアルに、タイムラインのパネルは、Crlキーを押しながらドラッグすると、ステージにドッキングしないとあるがウソ、ドッキングする。
タイムラインの上の目盛りが、すごく読みにくい。
まず、数字が示している箇所がどこか非常に分りにくいのが問題だ。
目盛りの下のレイヤー(空の部分)は5フレーム毎に色を変えてあるのだが、なぜ目盛りの方は変えてないのか、思いっきり謎。
時間は0から始まっているのが普通なのに、目盛りの最初に書く数字が1なのは良くない。いっそ何も書かない方がいい。
数字を見ると、1-5-10-15...となっている、数字の差を取ってみると、4,5,5,...となる。最初だけ4つ刻みで、後は5つ刻みで書かれるってのも分りにくい。
マクロメディアは、何を考えているんだか?(もはや、何も考えてないことは確固たる事実と捉えていいが…)
フレームの数を目盛りにしているようだが、再生時間を目盛りにするべき。
というのも、アニメーションで重要なのは、フレーム数よりも時間的タイミングであるし、フレームはfpsの設定で長さが変わるので時間をはかるのに向かない。
0秒から始めて1秒毎に目盛りを長くして、その横に秒数を書く。ただし、刻みはフレーム毎に入れる。この変更で、目盛りはかなり見やすくなる。
ヘッド部分を選択した時に、プロパティインスペクタにレイヤー情報が出るが、ほとんどの属性は設定できない。アクションは設定できるものの、どのレイヤーか分らないし。情報も意味のあるものは表示されない。ヒドい。
レイヤーの左側の、アイコン1つ分ほどの空間、これなんでしょうね…無駄です。
非表示レイヤーを選択した時は、表示に変えるべきだろう。ほとんど他の選択肢は無い、もしくは表示されても困らない、と思うが。
レイヤーのアイコンも分りにくい。平行四辺形にすれば、重なっているということが分りやすくなると思うのだが、今のアイコンでは書類が逆さになっているだけにしか見えない。
レイヤーをドラッグする時、ポインタがハンドではなく、矢印や枠位置変更ポインタになっている事が多い…カッチョ悪っ。
レイヤーをタイムライン下のゴミ箱にドラッグして削除可能なのに、フレームの方はゴミ箱にドラッグしても削除できない…レイヤー専用かよ!!画面の無駄もいいとこ。
ちゅーかね、Mac OS Xならドックにあるゴミ箱にドラッグして削除できてしかるべき。
レイヤーをOpt+ドラッグして複製できないのは、手抜き感がある。色々機能をつける前に、こういう基本的な部分で手を抜くから、インタフェースの心地よさがなくなってしまうのだ。
●はともかく、○は意味ないだろう。完全に何も描かない方がすっきりする。
アクションがある場合のアイコンがaなのがおかしい。他のところでは全部矢印マークなんだから、ここでも矢印マークを使わないとダメ。統一感ガタガタ。
スパンの後ろの四角の意味がわからない。トゥイーン無しのとき出るんだが、正直邪魔なだけ。
モーショントゥイーンのときはキーフレーム間に区切り線が出ないが、シェイプトゥイーンの時は区切り線が出るのも、どういう意図があるのか不明。
スパンの背景は、なんでかけ網(1ピクセルずつ交互に色が変わっている)なんだろう?べた塗りの方が見やすいと思うのだが。
アクションとラベルはレイヤー(見た目)に関係ない属性であるのに、どのレイヤーに記述してもいいようになっている。これは混乱する。
また、複数のフレームにまたがる属性でもないのに、あたかも複数のフレームに存在するかのように表示されるのも分りにくい。
色々なレイヤーに置けるため、アクションやラベルがどこにあるか分らなくなる。
この二つは、上のタイムラインのヘッダ(フレームの目盛り)にあたりで管理して欲しい。
別のレイヤーに記述できた方が便利な場面も考えられなくはないが、メリットよりデメリットが多いし大きい。
あげくに「ラベルやアクションには専用のレイヤーを用意してやると分りやすくなります」なんてなことがマニュアルに書いてある。…分ってんなら、最初からそーゆー仕様にしろよ。
ラベルとアクションを、ヘッダに押し上げる事によって、レイヤーに必要な高さも半分で済むようになり、大幅に情報密度を上げる事ができるのも見逃せない。
逆に言えば、今のタイムラインのレイアウトは「スカスカ」である。
ヘッダに常にラベルが表示されると、現在の位置を見失いにくくなる。
逆に言えば、今は位置を見失いやすい。
アクションに一つラインを割り振る事で、プロパティインスペクタにアクションを表示する事ができるようになる。今も、アクションパネルを小さくしておけば、アクションが表示されるプロパティインスペクタがあるように使えるが、ちょこちょことアクションを確認する時はいいが、編集する時にアクションパネルをいちいち大きくするのは面倒。
このプロパティインスペクタには3行程度アクションを表示し、編集する時は別にウインドウを表示するようにすれば、ブラウジングと編集をスムースに行き来できていいだろう。
サウンドも、レイヤー(見た目)に関係ない属性なので、画像(アニメーション)を含まない専用のラインを用意してやった方がいいだろう。
ただ、ラベルやアクションのように、1本にまとめないほうがいい。
以上の事をふまえて、タイムラインのパネルの再デザインを行ってみた。
今日はここまで。
2004-03-19